【BL】好きになってよ。
“離れる”か。
ちょっと嫌だな。
でも、しんちゃんのためにはそれがいいかもしれない。
僕の存在が邪魔になってるだろうし。
「そう...だね。
しんちゃんが落ち着くまで、登下校も別にした方がいいかも。」
「うん、その方がいいと思う。」
大野さんは頷いてくれた。
「ありがと、大野さん。」
「どういたしまして」
最後に微笑んで僕の言葉に返すと、前に向き直った。
朝のHRの始まりを告げるチャイムが鳴った。
チャイムの音に紛れて大野さんが「ごめんね、山内くん」と言っていたのには気が付かなかった。