【BL】好きになってよ。



数日がたった。


拓海とはあの日話してから一度もあっていない。


代わりにちょくちょく見かける大野。


今日も朝に見かけた。


朝行く時間を変えようかとも考えるけど、拓海に会いそうなのでやめておく。


ったく、なんで俺がそんな事考えてるんだよ。



「あれ、慎也じゃん」



この喋り方...



「恵」


「久しぶりだね、最近どう?
拓海と登下校を共にしない日々は」



...喧嘩、売ってるよな。



「別に何ともねぇよ」


「あれ、何ともないの?

自分を好きな相手なのにそんなこと言っちゃっていいの?

嫌われちゃうんじゃな~い?


あ、もう嫌われてるかもしれないんだっけ」



くっそ、腹立つ。



「うるせぇよ。大野とかと仲良くしてんじゃねぇの?」


「あれ、慎也ってば大野さんのこと知ってるわけ?
なぁんだ。だったら話は早いね。


最近、拓海と大野さんの距離が急接近してるみたいなんだけど何なの?」



俺に聞くなよ。



「知るか。」


「もうちょっと考えれば?」


「お前が考えればいいじゃねぇか」


「めんどくさいからやだよそんなの」


「なんだそれ」



「気になんないの?大野さんと拓海がどうなってるか」


「気になんないわけじゃねえ。」


「じゃあ」


「俺がいない方がいいんじゃねえの?
あいつらはあいつらで楽しそうだし。

そもそもあいつら、男と女だし。」



なんで俺、恵にこんなこと言ってるんだ。


弱みとか、知られたくないのに。


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