【BL】好きになってよ。

「は？今更何言ってんだよ。
拓海と大野さんは男と女だろ？」



いつも通りに返してくる恵。


お前が言ってんのと俺が言ってんの違うだろ...。



「ははっ、んな顔すんなよ。
お前が言いたいことはわかるさ。」



わかってるなら最初からそう言えよ。


相変わらずこいつは腹立つ。



「つまりは、嫉妬だろ？」


「は？」





思わず、声が出た。



「え、何その顔。もしかして気づいてなかった？

お前、俺が大野さんの話題出すたび変な顔してたけどあれは嫉妬じゃなかったの？」


「な、何のことだよ。」



変な顔？俺はお前の前でも拓海の前でも変な顔なんてした覚えねぇぞ。



「うわぁ、無自覚...」


「なんだよ、言えよ。」


「慎也がこんなに鈍いとは知らなかったなあ。」



さっきからこいつは何一人でぶつぶつつぶやいてるんだ。



「おい、いい加減に「まあそうかっかするなって。」


「は？」



俺の言葉にかぶせてきたくせに、この期に及んでまだ変なことをいう。



「一発殴るか...」


「え、ちょ、待ってよ、なんでお前に殴られなきゃなんないんだよ。」


「...なんとなく」


「ふざけんな！！」



慌てる恵は新鮮だ。



「ったく、お前はこういう時に短気だよなあ。」


「殴られたいのか...？」


「あほか。

自分に聞いてみろよ。拓海と大野さんが仲良くしてたらどう思う？」


「は？」


「ひとまず考えろって。」