【BL】好きになってよ。
「...まずは、ごめんなさい。」
「えっ」
突然頭を下げた大野さんに驚く。
「ごめんなさい、山内くん。
さっきのこと。折角、もう少しで話せそうだったのに、邪魔しちゃった。」
さっき。
本当にさっき。小一時間前のこと。
そこで起こった出来事がまたフラッシュバックしてきて、僕の心臓を締め付ける。
「じゃ、邪魔なんかじゃなかったよ?
そもそも、僕が話してたことに気づいてなかったならしょうがないよ」
「.........気づいてた。」
「え?」
「気づいてたの。気づいてて、邪魔した。」
「なんで......?」
意を決したような表情をする大野さんに、恐る恐る質問する。
気づいてて邪魔した?
意味が、ないじゃん。大野さんがそれをする意味が。
「──山内くんが、好きだから。」
「え?」
冗談かとも思ったけど、言葉を発した大野さんの表情は真剣そのものだった。