【BL】好きになってよ。
「山内くん、好きはやめちゃダメだよ。」
僕の心を見透かしてるみたいに大野さんは言った。
「思ってるなら、伝えなきゃ。」
「~っ、」
「行っちゃいなよ。スグに。
もしかしたら、走れば間に合うかもしれない。
恋愛は、タイミングだよ!」
元気よく笑った大野さんの笑顔はとても輝いていた。
夕日はもう、沈んでいるのに。
「ッ、行ってくる!
大野さん、ありがとう!告白、嬉しかった!!」
大野さんにお礼を言う。
僕の言葉を聞いた大野さんはハッとしたような表情になって、途端に目に雫をためた。
「~っ、ありがと。」
そう言って笑った彼女の美しい顔を、僕はずっと忘れないだろう。
そんな彼女に僕はどうすることも出来ない。
そんなことにもどかしさを感じながら僕は荷物を持って走って教室を出た。