【BL】好きになってよ。
いつもの通学路を走っていると、僕の学校の制服を着た男の子がいた。
あ、まだ帰ってない人もいるんだ。
この道を言った先に駅があるから、そこにもまだ人がいるんだろう。
だったら、間に合うかも。
僕もしんちゃんも徒歩通学で、駅からもう少し行ったところに家があるから。
って、あれ?
歩いていた男の子の背中が近づいてくるにつれ、なんとなく、なんとなくだけど
しんちゃん?
幻影かな、気のせいかもしれない。
でも、見慣れた姿が歩いている人にどんどん重なっていく。
背が高くて、すこし首にかかった短髪、広い背中、長い手足、歩き方。
あぁ、しんちゃんだ。
疲れているのに、走るスピードはどんどん速くなる。
どんどん、小さく見えてた背中は大きくなって。
「しんちゃん!!!」