【BL】好きになってよ。



「小野瀬くん、ごめんね、待たせちゃって」



放課後、大野に言われたように残っていた。


どこにいればいいのかよくわかんなかったから、とりあえず教室にいたら、大野が来た。



「なんで花瓶持ってんの?」


「気にしないで。」



それ、どの教室においてあるやつだよな。


まぁいいや、気にしないでおこう。



コト、と大野は花瓶を置いた。


何をするんだ...?と思ったら、突然大野が頭を下げた。



「ごめんなさい!!」


「は!?」


「さっきは、本当にごめんなさい...、

私、自分のことばっかりで、山内くんとか、
小野瀬くんのこと、全然考えられなかった。」



大野は、頭を下げたまま震えた声で言い切った。



「顔、上げろよ」



俺にそう言われてゆっくりと顔を上げた大野は、



「うわ、ひっでえ顔」


「う、うるさい。」



涙でぐちゃぐちゃだった。


ずっと止めていたものが外れたんだろう。


床にも水滴が落ちている。



「気にすんなよ、お前はそれだけ拓海を思ってたってことだろ。
いいじゃねえか、それで。」



「でも、本当にごめんなさい。

あのね、もう諦めるために、私これから山内くんにフラれに行くの。」



なんだ突然。



「さっきは、私が邪魔しちゃったから。
邪魔した私が言うのはとても変だけど、小野瀬くんも告白してよ。」


「それはまた随分変だな。」


「私はもう諦めるよ。

じゃあ、小野瀬くん、よろしくね!」



そう言い切って大野は、走り去っていった。



なんだあいつ、キャラ変わったか...?



< 140 / 150 >

この作品をシェア

pagetop