【BL】好きになってよ。
「小野瀬くん、ごめんね、待たせちゃって」
放課後、大野に言われたように残っていた。
どこにいればいいのかよくわかんなかったから、とりあえず教室にいたら、大野が来た。
「なんで花瓶持ってんの?」
「気にしないで。」
それ、どの教室においてあるやつだよな。
まぁいいや、気にしないでおこう。
コト、と大野は花瓶を置いた。
何をするんだ...?と思ったら、突然大野が頭を下げた。
「ごめんなさい!!」
「は!?」
「さっきは、本当にごめんなさい...、
私、自分のことばっかりで、山内くんとか、
小野瀬くんのこと、全然考えられなかった。」
大野は、頭を下げたまま震えた声で言い切った。
「顔、上げろよ」
俺にそう言われてゆっくりと顔を上げた大野は、
「うわ、ひっでえ顔」
「う、うるさい。」
涙でぐちゃぐちゃだった。
ずっと止めていたものが外れたんだろう。
床にも水滴が落ちている。
「気にすんなよ、お前はそれだけ拓海を思ってたってことだろ。
いいじゃねえか、それで。」
「でも、本当にごめんなさい。
あのね、もう諦めるために、私これから山内くんにフラれに行くの。」
なんだ突然。
「さっきは、私が邪魔しちゃったから。
邪魔した私が言うのはとても変だけど、小野瀬くんも告白してよ。」
「それはまた随分変だな。」
「私はもう諦めるよ。
じゃあ、小野瀬くん、よろしくね!」
そう言い切って大野は、走り去っていった。
なんだあいつ、キャラ変わったか...?