【BL】好きになってよ。
謝るのは、俺の方だろ。
「ひどい事言って、ごめんね。
でも、僕はまだ──」
そこまで言って言葉を止める。
なんとなく、わかったような気がした。
自意識過剰かもしれない。
でも、本当になんとなく。拓海が醸し出している雰囲気でわかってしまった。
「待て」
決心をしたように息を吸って次の言葉を出そうとする拓海を遮る。
「な、なに?」
ずっと聞くだけだった俺が突然遮ったせいか、驚いている拓海。
悪いな、まだ驚くのは早い。
多分、こいつはいつものネガティブ思考で、また変な風に考えている。
でも、そんな時だからこそ、伝えるべき言葉があることを知っている。
これ以上こじらせない為に、言わなければいけない言葉があるのを知っている。
「拓海、俺さ、お前のこと好きだ。」