【BL】好きになってよ。
「大丈夫だよ。
俺が何年お前を見てきたと思ってるんだ。
そんなすぐ答えを出すやつじゃねーよな、お前。
そんでお前はもう暗いから帰れ。送ってやるからさ」
「えっ、いやいいよ!そういうのは女の子にすることなんだから!1人で帰れるって!」
「ほーう?お前もう足大丈夫なのか?
それに、そこらのオンナノコよりも拓海の方がだいじだよ。」
かっこいい笑顔でそう言えちゃうところ、本当にモテ男だよね、けいちゃん。
かっこいい...けど、何となくバカにされたような気がして僕は勢いよく立ち上がる。
「だ、大丈夫だし!
もう治ったもん!歩けるよ!!」
「へーえ、じゃあ無事に帰れることを祈っとくよ。
気をつけて帰れよ?」
「ふんっだ!余裕だね!
じゃっ!」
「おーう」
手を振って部屋を出る。ちょっとだけ筋肉が動かしにくいけど、しっかり歩くことは出来た。
と、言い忘れたことがあったので、僕は再びドアを開けて顔を覗かせる。
「あのさ、けいちゃん。
返事は...時間かかっちゃうだろうけど、絶対返すから、待っててね」
するとけいちゃんは「おう、任しとけ」と言って手を振った。
それに手を振り返してまたドアを閉める。
帰り道に自分の家に向かう道を歩いていると、けいちゃんの家で起きたことがフラッシュバックしてきて、足の痛みが分かんないくらいドキドキした。