【BL】好きになってよ。
朝学校に行くと拓海が少し先の方にいた。
〝僕ね、しんちゃんのこと好き〟
〝あ、恋愛的な意味...なんだけど〟
幼なじみに、しかも男に告白されるのには驚いた。
少なくとも男に告白されたのは初めてだった。
今まで拓海のことは“幼なじみ”であり“腐れ縁”としか思っていなかった。
あの日から、拓海が気になってしょうがない。
多分あいつは、俺が〝キモ〟と言った瞬間から俺を好きでいるのをやめている。
いくら好きなやつでも、そんな事言われたら、好きでい続けることは難しいだろう。
──だとしても。
だとしても、今の状態は許せない。
拓海を見つけた。それまではいい。
なんで、拓海の視線は恵から離れねぇんだ。
なんで、あんなに見ておいて話しかけねぇんだ。
いつもみたいに話しかければいいじゃねぇか。
なんで見つめて立ち止まってるんだよ。
あいつ...何かしやがった。