【BL】好きになってよ。



「ねぇ、しんちゃん」


「なんだよ」



高校。小学校から続いているこの腐れ縁は、いつになったら切れるのだろうとたまに思う。


部活に入っていないから、帰りも一緒だ。


別に無理に一緒にしなくてもいい。

でも、今までずっと続いてきた帰り道のふたりきりの時間は、今更無くすことが出来ないようだった。



いつも通り一緒に拓海と家に帰る途中、突然拓海が立ち止まった。



「どうしたんだ?」


「あのさ、」


「早く言えよ」


「うん...

え、と」


いつもだが、今日は特に歯切れが悪い。


そういうオドオドしているところを見ると、胃がムカムカしてくる。



「なんなんだよさっきから」


「あのさ、しんちゃん。」



立ち止まってこっちを向いた拓海は、真面目な顔をしていて。



その顔を見つめていると胃のムカムカがだんだん無くなっていった。

真剣に聞かなくてはならない、そう思えた。


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