【BL】好きになってよ。
「今日は転校生を紹介するぞー」
担任の先生が言った言葉に反応して、ふと顔を上げる。
クラス全体がソワソワとし始める。
転校生が来るって分かると、やっぱドキドキするよね。
「へぇ、転校生ね~」
後ろで三井がボソリと呟く。
「三井、知ってた?」
「知ってるわけないじゃーん」
体は前に向けたまま、三井の方を向いて聞いてみると、三井は手をヒラヒラと振って否定した。
どんな人なんだろう...?
「可愛い子だといいなぁ...」
「三井、正直だな」
「そう考えるの普通じゃね?」
そうかもしれないけどね...。
女子はみんなイケメンが来るように願ってるみたいだし。
そう考えると、転校生って大変だな。たくさんの期待の中前に立たなきゃ行けないんだ。...僕絶対無理。
「入っていいぞー」
先生はそう言ってくれた教室の入口に向かって手招きをした。
みんなの視線がそこに集中する。
ゆっくりと教室に入ってきたのは──
「う、わ。」