【BL】好きになってよ。
***
「でね、大野さんと話せるようになったんだ!」
学校からの帰り道、大野さんとの事をしんちゃんに報告。
「へぇ」
テンションが上がり気味の僕と違って、しんちゃんは冷めた様子。
なんかあったのかな。
「ねぇしんちゃん、今日なんかあったの?」
気になるから聞いてみる。
僕はこういうことを察しようとしても無理だ。
そんな時は本人に聞くのが一番だね♪
「あ?」
しんちゃんもしかして機嫌悪い?
悩みがあるのかと思ったけど。
「なんかあった?」
「別に」
「なんかあったでしょ」
「まぁ」
やっぱり!
「僕でよかったら聞かせてよ」
「聞いて何になるんだよ」
う、痛いところを...
「そ、相談に乗る...?」
「ふは、なんで疑問形だよ」
痛いところを突かれて動揺した僕の変な返事にしんちゃんが笑った。
笑ってくれた...!
それだけで嬉しい僕は、変だろうか。
でも、好きな人の笑顔が見れて嬉しくならない人なんていないと思う。
しかも、二人きりの時に。
幸せだ。しんちゃんの笑顔が見れただけで、その日はいい日になる。