【BL】好きになってよ。
昼休み。
今日は購買の日だから、急がないと売り切れちゃう。
「僕買ってくるから席で待っててね!」
「おー。遅すぎたら先に食べるからな」
「頑張るよ~」
いつも一緒にお昼を食べてる三井に声をかけて教室を出る。
「あっ、山内くん!」
ちょうど走ろうとした瞬間に後ろから声をかけられた。
後ろを振り向くと、そこには大野さん。
「あのね、聞きたいことがあるんだけど、今週の日曜日空いてる?」
「うん、空いてるよ」
基本僕はインドア派だから外出とかしない。
「じゃあ私と一緒に出掛けてくれる?」
周りにいた男子の肩がピクっと動いた。
...多分気のせい...だよね?
気づかなかったフリをして、大野さんとの会話を続ける。
「え?もしかしてお礼のこと?
わざわざそんな事しなくてもいいのに」
「それもあるけど、私が山内くんと出かけたいの」
もう僕は周りを見ない。
たとえ今の大野さんの言葉で数人の男子がこちらを振り向いたとしても。
「そ、そうなの?
ならいいけど...」
「よかった!
じゃあ詳しくは後で話すね。
急いでたでしょ?引き止めちゃってごめんね」
「ううん、気にしないで。じゃあね」
心配そうな大野さんに向かって笑顔でひらひらと手をふる。
そして僕はその場からダッシュで購買へ向かった。