先輩から逃げる方法を探しています。
耀先輩と集合場所の海の家へと行くと、先に行ったりりなと香澄。
そして先輩が3人で立っているのを見つけた。
やはりまだ先輩に抵抗があるのか、りりなは香澄の後ろに隠れるようにいる。
が、香澄はというと先輩となにやら話をしていた。
2人ともなんだか少し楽しそうにも見える。
「3人ともお待たせ」
「え、耀ちん?どうしたの?その髪型は」
「あ、あぁ…これ。翼がバレるから眼鏡だけの変装はやめろって言うから…」
「それで遅かったわけだ?」
「そ、そうそう」
確かに髪のセットをしていた時間もあるが、一番大きく時間を使ったのは先輩のことで話していたことだ。
そのことを知ると、先輩が嫌がるかもしれないからと遅くなった理由を上手く誤魔化せるように耀先輩の髪型を変えた。
「…ふーん。そっか」
「ところで、何をして遊ぶんですか?」
「色々道具は借りてきたんだけど…」
そう言って耀先輩は大きな鞄を置き、中から色んな遊び道具を取り出していく。
何が入っているのか気になっていたけど、遊び道具だったんだ。
「皆は何がしたい?」
「折角海に来たんだし、海ならではなことしたいよねぇ」
「海ならではでしたら、人数的にもビーチバレーはいかがでしょう?ネットはありませんが」
「お~いいねぇ、かすみん。さんせーい。ネットはなくてもまぁ出来るし」
「ビーチバレーな。ボールボール……あった。翼とりりなもそれでいい?」
「はい。私はなんでも」
「りりなも大丈夫です!」
返事を聞くと、耀先輩は空気入れと折りたたまれたビニールを手に取る。
ビニールに空気を入れ、すぐにビーチボールは完成した。