先輩から逃げる方法を探しています。
じゃんけんで勝ったチームと負けたチームに別れることとなった。
私と香澄と耀先輩。りりなと先輩のチームだ。
「3対2だからはる達は17点、俺達は21点先に取ったほうが勝ちな」
「そんなハンデくれちゃっていいの?俺とりりー強いかもよ。ねぇ、りりー?」
「あっ、は、はひっ…はい!」
「……りりーも楽勝だって」
やっぱりまだ先輩のことを怖がっている様子のりりな。
そんなに時間は経ってないし、当然だ。
先輩達が得点表やコートを砂に描いている間に私はりりなを手招きで呼んだ。
「りりな、代わろうか?先輩と2人はやりにくいでしょ?」
「えっ…えっと、大丈夫だよ。りりなも松木先輩と仲良くならなきゃ…だから!」
「別に無理に仲良くはならなくていいんだよ?」
私も先輩と仲が良いわけじゃ…ないし。
「翼ーりりなー始めるぞー?」
「あ、はい!翼ちゃん、ありがとう。りりなは大丈夫だから!」
そう言ってりりなは駆け足で自分のコートへと戻って行った。