先輩から逃げる方法を探しています。


翼ちゃん、耀ちん、かすみんのチーム。

俺、りりーのチームに分かれてビーチバレーで遊ぶことになり、遊んでいたが、りりーが途中で瓶の破片を踏んでしまった。

治療をするために部屋におぶって運んできたりりーを椅子に座らせ、部屋を見渡す。

テレビ台の棚の中から耀ちんの言っていた救急箱を見つけた。

次に風呂場でぬるま湯を洗面器に入れ、タオルを手に取り、再びりりーの元へ。


「足入れて。砂落とさないと」

「は、はい…」


そっと洗面器に足を入れる。

砂を撫で流し、次はタオルで軽く拭く。


「染みて痛いと思うけどちょっと我慢してね」

「は…っ………!!」


消毒液を傷口に付けると、やっぱり染みたのか少し足がビクついた。

大きめの絆創膏を貼り、上からテーピングをして固定。

これで剥がれたりすることはないだろう。


「はい、おしまい。どう?大丈夫そう?」

「ありがとう…ございます」

「どういたしまして〜。じゃ、戻ろうか」


立ち上がり、部屋を出ようとした瞬間、背後から手首を掴まれ、足が止まる。

振り向くとりりーは下を向いたまま、ただ俺の手首を掴んでいた。


「何?どうしたの?」

「あのっ……その………ごめん…なさい…」


何に対しての謝罪の言葉なのかがわからない。

怪我をしてしまったから、なのか。

ビーチバレーで負けそうになっているから、なのか。

俺がここまで連れてきたことに、なのか。

まぁ、どれであれ謝られることじゃないんだけど。


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