先輩から逃げる方法を探しています。


だからと言ってこんな性格をしているせいで特別不便を感じているわけでもなく、平和に生活をしている。

友達がいないわけでもなく、家族と不仲なわけでもなく。

至って普通に過ごせている。


「相原くーん!一緒に帰ろー♪」

「駄目だめ!景くんは今日はあたしと帰るんだから!」


1人の男子に群がる数人の女子達。

相原 景(アイハラ ケイ)は確か学校一のモテ男だかなんだか…そんなことを言われてる人。

1年生で、入学して数週間しか経っていないのにもう学校一とは凄いものだ。

とりあえず、目立つ人とは関わりたくない。

目立っていいことなんてほとんどない。大抵は災難に遭う。

集団を横目に帰ろうと昇降口を出ると、ふと子猫が目に入った。

キョロキョロと辺りを見渡しながら校舎裏へと進んでいく。

首輪をしているようには見えなかったけど、迷子かな…。

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