先輩から逃げる方法を探しています。


先輩に必ず会える場所。

放課後の校舎裏の倉庫前。

やはり子猫もここに来ている。

子猫といっても初めて見た時から1ヶ月程経つと、ずいぶん大きくなったものだ。


「今日で2回も翼ちゃんに会えるなんてラッキーだな~。しかもここにいるってことは翼ちゃんが俺に用があるってことだ?」

「当たりです」

「え~何かな~?」


座り、倉庫に背を預けると自分の隣をとんとんと叩く。

隣に座れということか。

まぁ立って話すのもなんだし…今回だけは仕方ない。


「翼ちゃんから俺に用ってのも珍しいけど、こうやって隣に来てくれるのも珍しいねぇ。何かいいことでもあったの?」

「いえ。全然」


逆に嫌なことに巻き込まれたぐらいだ。

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