先輩から逃げる方法を探しています。


先輩は自分の膝の上に子猫を乗せ、餌をあげはじめる。


「それで用ってのは~?」

「今月体育祭があるじゃないですか」

「へぇ~そうなんだ」


なんとも興味なさそうな返事と知らなかったような口ぶりだ。

これは出る気がないことを物語っている。

が、私はなんとしてでも出てもらうように説得するしかない。


「プログラムの終盤に学年別リレーがあるんです」

「ふーん。そうなんだ」

「先輩、それに出てください」

「……おまえ大きくなったねぇ。俺が餌あげすぎちゃったかな~」


出た。先輩の得意技。無視。

どうも先輩は自分の都合が悪い話になると無視をする傾向がある。

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