先輩から逃げる方法を探しています。
「いやだ。出ないよ」
「えっ…」
放課後。
いつもの場所で先輩を待ち、香澄から教えてもらった作戦を実行。
が、事はそう簡単には上手くいくものではないらしい。
即答で断られてしまった。
「どうしてですか?とーっても良いご褒美ですよ」
「だってそのご褒美が俺にとってほんとに良いものなのかわかんないじゃーん」
「うっ…」
なんと核心をついたことを言うんだ。
いや、でもここで引き下がるわけにはいかない。
先輩には体育祭に出てもらって絶対に卒業してもらうんだ。
「気にならないんですか?とーってもいいご褒美」
「全然。興味ないね~」
…先輩、手強い。