先輩から逃げる方法を探しています。


追いかけて行くと校舎裏にある倉庫の横で子猫は止まった。

私が近づいても警戒したり逃げようとしたりはしない。


「どうしたの、おまえ。迷子?」

「にゃー」

「…可愛い」


撫でると嬉しそうに鳴く。

動物ってなんでこんなに可愛いんだろう…癒される。


「あれれ~知らない顔がいるなぁ。ご飯足りるかな」


突然、気の抜けたような声が聞こえ、顔をあげる。

そこには声の主であろう人物が立っていた。

耳には複数のピアス。茶色の髪には所々赤色と緑色のメッシュ。

口元や頬には少し傷があり、腕にはあざも見える。

そして手には動物用の餌のようなものが入った瓶を持っている。


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