先輩から逃げる方法を探しています。
先輩の恰好をよく見るとちゃんと体操服を着ていた。
手首には赤色の鉢巻を巻いている。
私は青組だから先輩とは敵か。
「先輩はもう来ないかと思ってました」
「え~どうして?」
「もうすぐリレーが始まるのにいなかったので」
「しゅがーちゃんがリレーにさえ出てくれればずっとはいなくてもいいって言ってたからさ~。今きた」
「なるほど」
そういうことであれば、探さずに佐藤先生に聞けば良かった。
「それに俺は翼ちゃんとの約束は必ず守るよ」
そう言って先輩はリレーの入場口へと向かった。
あ。私は先輩にあげるご褒美を用意しておかなきゃ。