先輩から逃げる方法を探しています。
私の隣に座ると、瓶から取り出した餌を手に乗せ、子猫に差し出した。
子猫はなんの迷いもなく、差し出された餌を食べ始める。
もしかしてこの子猫の飼い主なんだろうか。
「なぁにそんなに俺のこと見つめちゃって。欲しいの?」
逆手で餌をつまむと私の口へと近づける。
すぐにそれを手で押し返し、立ち上がった。
「いらないです」
「え~いらないの?じゃ俺が食べちゃおーっと」
口を開け、先程私へと差し出した餌を自分の口の中へと運ぼうとする。
「えっ…それ動物用の餌なんじゃ?」
「そうだよ。冗談じょうだーん。本気にしちゃった?」
「し…してないです」
男子は面白そうに笑いながら、その餌を子猫に食べさせた。