先輩から逃げる方法を探しています。


私の隣に座ると、瓶から取り出した餌を手に乗せ、子猫に差し出した。

子猫はなんの迷いもなく、差し出された餌を食べ始める。

もしかしてこの子猫の飼い主なんだろうか。


「なぁにそんなに俺のこと見つめちゃって。欲しいの?」


逆手で餌をつまむと私の口へと近づける。

すぐにそれを手で押し返し、立ち上がった。


「いらないです」

「え~いらないの?じゃ俺が食べちゃおーっと」


口を開け、先程私へと差し出した餌を自分の口の中へと運ぼうとする。


「えっ…それ動物用の餌なんじゃ?」

「そうだよ。冗談じょうだーん。本気にしちゃった?」

「し…してないです」


男子は面白そうに笑いながら、その餌を子猫に食べさせた。


< 4 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop