先輩から逃げる方法を探しています。
俺を見ても逃げなかった。
そして全く感情の読めない子。
そんな彼女に興味を持った俺は彼女を探し、見つけては声を掛けに行った。
後ろからそっと声を掛けてみると「わっ!?」と驚いたようで声を出すものの、その顔は無表情。
だけど、スカートの裾をぎゅっと握る。
困るような質問をしても無表情のまま口籠る。
だけど、人差し指で髪をくるくると巻く。
無表情で感情が読めないと思っていたが、代わりに仕草に現れていることがわかった。
「翼ちゃんって面白いよねぇ」
「そう思っているのは先輩だけですよ」
「俺だけか。そういうのなんかいいかも」
「はぁ…?」
普段は無表情なくせに呆れた時だけはすぐに顔にでる。
それがまた面白い。