先輩から逃げる方法を探しています。


数日後。

先生から連絡を受け、空き教室へと来ていた。

どうやらここが天文部の部室になるらしい。

しばらく使われていなかったのか、少し埃っぽい。


「楽しみだねぇ」

「ほんとにそう思ってます?」

「もっちろ~ん。だって翼ちゃんと2人きりなんだしいっぱい話せるじゃん」

「え?2人きり?」

「うん。2人きり」


あれ…おかしいな。

先生はもう1人いるって言っていたし、3人いないと部活は作れないとも言っていた。

それに今、先生がいないのもそのもう1人を連れて来るから待っていて、とのことだったのだが。

これって先輩か私、どちらかが先生に騙されたってこと…だよね?

もし私が騙されていた側だった場合、先輩と2人きりで部活動になるんじゃ……


「2人ともーおっまたせー!」

「しゅがーちゃん呼びつけといて遅すぎ~」


やって来たのは先生1人だ。

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