先輩から逃げる方法を探しています。


天文部が作られて早くも3週間が経とうとしていた。

この部活が作られたことは内緒という先生からのお達しのせいか、この部活に新入部員が入ることもなく、できたという話も上がることもない。

今のところ目立つこともないまま、平和に活動が続いている。

天文部の部活動は毎日はなく、雨谷先輩の仕事が休みだったり、時間がある時に行われた。

まぁ、部活動といっても大半が雑談をしたり…私に至っては勉強をしていたりと自由な時間だ。

そのおかげなのかはわからないが、サボるだろうと思っていた先輩は毎回必ず来ている。

いや、むしろ機嫌が良く、部活があることを楽しみにしているようにも見えるくらいだ。

本当に先輩の急な変わりようには驚く。一体、何があったんだろう。


「へぇ~。じゃ、耀ちんは…あ。お疲れ~翼ちゃん」

「翼、お疲れ」

「お疲れ様です」


やっぱり先輩がどうもおかしい。

部活に来るのも大体私より早く来ている。

もしかして雨谷先輩のファンだったとか……も考えてはみたが、それはないか。

最初は雨谷先輩が来てすっごい嫌そうな顔をしていたし。

今じゃこの変わりようだけど。


「みーんーなー集まってるー?」


勢いよくドアが開けられ、声と共に現れた先生。

今日も元気そうだ。

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