先輩から逃げる方法を探しています。
次の日。
珍しく2日続けての部活だ。
部室に行くと、机にうつ伏せている先輩がいた。
どうやら雨谷先輩も先生もまだ来ていないようだ。
最近、休み時間に会うことも少なくなったし、こうして先輩と2人きりになるのは久しぶりな気がする。
「ん~…翼ちゃんか。やっほー」
「お疲れ様です」
私が部室に入った音で起こしてしまったのか、欠伸をしながら上半身を起こす。
先輩は部室内を見渡すと、頬杖をついた。
「耀ちん遅いねぇ」
「そうですね…?」
確かに雨谷先輩は私より早く来ていることが多いけど、まだ放課後になったばかりだし遅いというわけではないと思う。
「早く来ないかなー」
よくよく考えてみると、先輩と休み時間にあまり会わなくなったのは、雨谷先輩が部活に入ってからのような気がする。
「先輩、子猫のところには最近行っているんですか?」
「休み時間とか部活が始まる前とか終わった後に行ってるよ~。まぁ、たまにあいつがいない時があるけど」
「…そうなんですか」
「うん。それがどうかした?」
「いえ」
子猫のところには今もまだ毎日行っている様子。