先輩から逃げる方法を探しています。
ということはつまり、私だけに飽きていて、先輩のいうお気に入りではなくなってこと?
それは……嬉しい……うーん………。
嬉しいはずなのに、なぜだかそんな感情じゃない気がする。
こう…もやもやしたような……。
雨谷先輩という新たなお気に入りが出来たから代わりに私には飽きたということだろうか。
「それでさー耀ちんってばねぇ」
「また雨谷先輩の話ですか」
「え」
「……え?」
先輩は驚いた顔をして、固まっている。
…あれ?私、今なんて言った?先輩が驚くようなことを言った?
考えごとをしていたから先輩の話に合わない返事でもした?
「…あの……先輩。私、何か言いました?」
「何?無意識?翼ちゃん無意識で言ったの?「また雨谷先輩の話ですか」なんて」
「えっ…」
嘘。待って。私、そんなこと言ったの?
そんなのまるで…
「もしかして翼ちゃん嫉妬してるの?」
「は、はぁっ!?そんなわけないじゃないですかっ…!?」
違う、違う。
私が嫉妬してる?そんなわけない。
ただ、あれだけ毎日私に話しに来ていたくせに…
「関わりたくない」と言っても、それでも毎日話しに来ていたくせに…
急にあっさりと手のひらを返すような態度の先輩に腹が立っているだけだ。