先輩から逃げる方法を探しています。
どうしてまた昨日の男子がここにいるんだろうか。
疑問の視線を向けるが、そんな視線など無視をして話かけてくる男子。
「1年2組…へぇ。君って1年生だったんだね~。大人びてるから俺と同じ3年生かと思ってたよ」
持っていたノートから学年と組を確認し、意外だと言う。
この男子…3年生の先輩だったのか。
「俺、松木 春佳(マツキ ハルヨシ)って言うんだ~。気軽にはるって呼んでいいよ~」
「先輩はどうしてここに?」
「えー無視~?まぁ先輩ってのも悪くないからいっか。君の名前はなんて言うの?」
「…伊坂翼です」
「翼ちゃんか。いいね~可愛い名前~」
無視をされたのは私のほうだ。
質問に答える気がないのであればこれ以上関わらなくてもいいだろう。
再び職員室へと向かい歩き始めると、なぜか先輩も隣を歩き始める。