先輩から逃げる方法を探しています。
先生は両手で頬を包み、嬉しそうに笑った。
「伊坂さんからご指名受けちゃったー♪…のは嬉しいんだけど、残念ながら男女1組ね」
「えっ。どうしてですか」
「買い出しも天体観測の準備も運ぶ物があるからよ。だから女子同士はだーめっ」
「はははっ。しゅがーちゃんは女子じゃないでしょ~」
「そうね!私は絶世の美女だったわね!」
「そんなこと一言も言ってない」
男女1組でチームを作らせられるとは。
こうなったらせめて雨谷先輩と…
「ということで、松木くんと雨谷くん、伊坂さんと先生でじゃんけんしましょう。買ったほうが買い出し、負けたほうが天体観測の準備ね」
「じゃんけん…なんですか?」
「2人が先生を取り合ったら大変じゃない?だから平等にね」
「誰もしゅがーちゃんを取り合うわけないじゃん。俺は翼ちゃんとが」
「はい、伊坂さん。じゃーんけんっ」
先輩の言葉を遮るように先生は拳を握り、声を出した。
ぽんっと。