先輩から逃げる方法を探しています。
ふと目が覚め、携帯で時間を確認すると時刻は2時を過ぎていた。
ご飯を食べた後、先生と先輩の用意した望遠鏡などを使い天体観測をして…あっという間の時間だった。
そういえば、お土産代わりに写真を撮って帰ろうと思っていたのに忘れてしまっている。
上半身を起こし、隣を見ると先生がすやすやと眠っているのが見えた。
こんなに気持ちよさそうに寝ているのに、わざわざ外に出る許可をとるために起こすのは気が引ける。
髪を軽く整え、先生を起こさないようにそっと部屋を出た。
「わあ……」
外に出て、空を見上げると綺麗な夜空が目に入った。
深夜だからか、どこのコテージも灯りが消えていて、一層星が輝いて見える。
1人で見るのは皆と見た時とはなんだか違った印象だ。
手を伸ばせば吸い込まれそうな…不思議な感覚。
「ちょっとくらい…いいよね」
私はコテージを離れ、皆と天体観測を行った広場へと向かった。