先輩から逃げる方法を探しています。
俺と翼ちゃんが話しているところを見ていると、俺が翼ちゃんがどう思っているのかがわかって会話をしているように見えるらしい。
まぁ、俺としては完全にわかっているわけではないけど。
「だから昔から仲良いのかなっと思ってな」
「まぁ、俺も最初は全くわからなかったよ。でも毎日話したりしてる内に癖とか見つけて…って感じかな。本人は気づいてないみたいだけどねぇ」
「癖か。例えば?」
「例えばねぇ…うーん……考え事とかしてる時は人差し指で髪の毛をくるくる巻きだしたりとか」
「髪の毛をくるくる…他には?」
「あとはー…内緒」
「えーっ」
俺だけが知っている翼ちゃんの癖がなくなるのは寂しいし。
「翼ちゃんはいい子だから普通に話して大丈夫だと思うよ」
「そっか…わかった。普通に接してみる」
それに耀ちんならそうそう人を傷つけるようなことは言わないだろう。
見た目から善人って感じだし。
「あ。でも、1つだけ注意しておくと」
「ん?」
「人が多いところで話し掛けるのはやめておいたほうがいいかなぁ。翼ちゃん目立つのが嫌いみたいだから」
「目立つのは嫌いか……そう…だよな…」
「ごめん、耀ちん。何か言った?」
「あっ、いや、なんでも!ありがとな」