先輩から逃げる方法を探しています。
深夜2時すぎ。
皆で夕食を食べて、天体観測をして…楽しい時間だった。
家では落ち着いて眠れないし、ゆっくり何も考えずに眠れると思っていたのに、どうしても気になることがあって未だに眠れていない。
夕食の買い出しの後、翼ちゃんは耀ちんのことを『耀先輩』と呼んでいた。
買い出し前までは『雨谷先輩』だったのに。
それに買い出しにしては帰ってくるのも遅かったし。
…こんなの何かあったとしか思えない。
ふと窓から外を見ると、コテージから出て行く人影が見えた。
それを目で追っていくと、見えたのは翼ちゃん。
今は深夜2時のはずなんだけどな…こんな時間に1人でどこ行くつもりなんだろう。
「耀ちん、俺ちょっと……って起こすわけにはいかないか」
すやすやと気持ちよさそうに寝ている。
俺は音を立てないようにそっと部屋を出た。