Youth...★
わざと暇ってなんだよ。
思いながらも、煙草を吸い出した祐翔につられて俺もポケットから煙草を取り出した。
箱から1本取り、口に咥えて火をつける。
「暇だなぁ」
と、煙を吐き出しながら祐翔が呟いた。
「わざと暇してんじゃねえの?」
「ばかか。わざと暇するやつなんてこの世にいんの?」
いや、知らねえわ!テメェが言ったんだろ!
「...なんかあれだな。探検する?」
そして続けて、突拍子もないことを口にした。
探検?ナニソレ?
「それ、かなりいい提案だな!」
めちゃくちゃいい事言うじゃん!俺そういうのかなり好きだぜ!すげーワクワクするじゃねえか!!
俺の答えが意外だったのか祐翔は少しの間煙草を咥えたまま俺を見つめていたが、次の瞬間には歯を出してニカッと笑い、灰皿にそれを擦りつけた。
ゆらり。煙が揺れて、消えてゆく。
「っしゃ!じゃあ、行くぞ!」
祐翔は声を大にしてから、立ち上がる。
「ちょっ、まだタバコ、」
「んなもん吸いながらでいいだろ!」
おい、てめえは自己中かよ。
ちょっとは待ってくれてもいいんじゃねえの?思いながらも、楽しそうに靴を履いて外を出てゆく祐翔の後ろ姿を見ていたら俺も早く行きたくてウズウズして。
結局まだまだ残るタバコを灰皿に押し当てて、立ち上がった。もったいねえけど。
俺と祐翔はワクワクしながら、原付に跨り溜まり場を出た。