Youth...★
俺の問いかけに、祐翔は「ああ、」思い出したかの様に声を上げる。
「目標っつーかさ、目的地みたいな?例えばさぁ、景色が綺麗な場所に行きたいとかさ?」
「...ごめん意味わかんねえんだけど」
「だから!!景色が綺麗な場所に行きたい!とかなら高い場所を目指せばいいだろ?そんな感じ!」
―――要するに、ダラダラ動くのが嫌ってことだろ?
祐翔のいうその目標?とやらを決めとけば、ぐるぐる回らなくてもそれに関連する様な場所に行けば目標に辿り着ける、って言いたいのか。
「え、でもさ?」
「なんだよ」
前髪をかき揚げながら、祐翔が俺を見る。
「それだと探検じゃねえじゃん!!!」
探検ってのは目標決めて動くことじゃなくねえ?!てか俺が求めてたもんとちげえんだけど!!
俺はてっきり、あの道行けばどこに着くんだろう?なんて思った場所を言い合って、じゃあ行こう!みたいな!!なんかそんな感じを想像してたんだけど!
「...だって好奇心でさぁ道進んで、帰れなくなったらどーすんの?」
「それは目標決めたとしても同じだろ?」
目標決めても知らない道を進む訳だろ?新しい発見には新しい道が必要なんじゃないの?
「えー。そうか?」
「そうだよ!!」
「ちょっと待って面倒くさくなってきた」
まじでうざいこいつ。なに爽やかに笑ってくれちゃってんの?
「もういい。オメーは隊長降格だ!」
人差し指をビシッと祐翔に向ける。
「え、なに。俺隊長だったのかよ〜」
「言い出しっぺがだいたい隊長じゃん」
「ふーん、そうゆうもん? とりあえず飽きたから適当に進めちゃって下さい」
裕翔は、ヤル気なく両手をひらひらさせて停めてある原付きに腰を置いた。熱しやすく冷めやすい、それが裕翔の特徴なのかもしれない。
まあ、いいや。
適当にやっていいなら、ちょっと気になるとこあるし行ってみよ。
俺も立ち上がり自分の原付きのエンジンをかける。
「んじゃ着いてこいよ」
「へいへい〜」
またヤル気のない声を発した裕翔を一瞥して、俺はアクセルを握った。