Youth...★
スーパーハウスのドアノブに手をかけ、捻る。
ギギ、とたてつけの悪いドアをゆっくりと開け、もういるであろうみんなに挨拶をしようと足元から視線を持ち上げれば―――「ギャハハ八!お前それはやべーって!」爽太の笑い声が聞こえてきた。
なんつー汚い笑い方だ。
「おまっ、おまっ、ヒィィ!もっむりぃ、腹いてーわ!」
「やべぇよ!お前最高すぎだから!!...お!きたか、ひなた!」
笑い転げる爽太と、笑いながらも、俺に気付いて声をかけてくる仁。
そして視線を斜め前に滑らす様に持っていけば、そこには全裸になって変なおじさんの真似をする祐翔がいた。
.........。
............こいつやばい。
爽太も仁も、この世の終わりなんじゃねえかってほど笑い転げてるけど俺には面白さが理解できない。
え、なに。なんなの。それそんなに面白くねえよ?そう言ってやりたい衝動を抑えて、いつもの定位置に座ってタバコに火をつける。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。
それらを何回か繰り返したところで、祐翔の動きが止まり、爽太と仁の笑い声も無くなった。
「やべぇ、まじ笑ったわ」
目の淵に溜まった涙を拭いながら、爽太が言う。
「いやまじで腹いてぇよ。一生分笑ったぜ!」
それに賛同した仁は、俺を一瞥してから同じ様にタバコに火をつけた。
「てかなんでひなたは笑ってねえんだよ!」
まだ余韻が残っているのか、思い出し笑いを浮かべた爽太が俺の横に座りながらそう言う。
「いや、まじで本気でつまんなかったぞ」
「はあ!?あんなにやべぇのに?!頭おかしいんじゃねえの?」
「失礼なやつか!」
笑えなかっただけで頭おかしいとかやめろ。頭おかしいのはあれで爆笑できたお前らだろ!!!
ムッとした表情を浮かべてみれば、爽太は不敵な笑みを浮かべてタバコに火をつけた。
「そういえば、」
そうして口を開き、一旦言葉を区切る。
煙をすうっと吐き出してから爽太はまた口を開いた。
「東中の近藤、退院したらしいぜ?」
どくん、その言葉を聞いた俺の心臓が音を立てた。