契約書は婚姻届
それに尚一郎に、しかも改めて云われると、乙女にでもなったかのように顔から火が出そうになった。
「ダメかい?」
じっと、尚一郎が眼鏡の向こうから見つめている。
ふるふると首を振り、尚一郎の首に手を回した。
そっと、自分の口をその耳に近づけ、口を開きかけたとき。
「失礼します」
無表情に入ってきた野々村に、慌てて離れた。
いつもいちゃついてるところを見られてるとはいえ、声をかけられるとやはり恥ずかしい。
「なんだい、野々村?」
こほんと小さく咳払いし、朋香を膝に乗せたまま姿勢を正した、尚一郎の顔が少し赤い。
……尚一郎さんだって恥ずかしいんだ。
そう気付くと小さくくすりと笑いが漏れた。
ちらりと視線を向けた尚一郎に、なんでもないと笑って誤魔化す。
「ダメかい?」
じっと、尚一郎が眼鏡の向こうから見つめている。
ふるふると首を振り、尚一郎の首に手を回した。
そっと、自分の口をその耳に近づけ、口を開きかけたとき。
「失礼します」
無表情に入ってきた野々村に、慌てて離れた。
いつもいちゃついてるところを見られてるとはいえ、声をかけられるとやはり恥ずかしい。
「なんだい、野々村?」
こほんと小さく咳払いし、朋香を膝に乗せたまま姿勢を正した、尚一郎の顔が少し赤い。
……尚一郎さんだって恥ずかしいんだ。
そう気付くと小さくくすりと笑いが漏れた。
ちらりと視線を向けた尚一郎に、なんでもないと笑って誤魔化す。