契約書は婚姻届
「ようこそ、朋香さん。
……と、尚一郎」

「……朋香からその手を離していただけませんかね」

思いっきりハグしてきたうえに、朋香の肩に手を回し、中に案内しようとする尚恭と、尚一郎の視線がぶつかってバチバチと火花を散らす。

「義父が義娘と仲良くしたいんだ。
なにが悪い?」

「悪いに決まってます」

朋香の肩を抱く、尚恭の手を思いっきり振り払うと、尚一郎は朋香を自分の腕の中に抱き寄せた。

「朋香にはふれないでいただきたい」

「おお、怖い」

思いっきり冷たい視線を尚一郎は送っているが、尚恭は堪えてないどころか相手にしていない。
やはり重ねた、年の分の違いなんだろうか。


夕食は和やかに……などともちろんいくはずもなく。
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