契約書は婚姻届
あたまを下げた野々村を残し、朋香の手を掴むと尚一郎は屋敷の中を進んでいく。
二階に上がり、少し入ったところで足を止めた。
「ここが朋香の部屋」
開けられた部屋は、まるでテレビでしか見たことのない、高級ホテルのスイートルームのように上品に揃えてある。
いい匂いがしてみると、花瓶には立派なバラが生けてあった。
「気に入ってもらえるといいんだけど」
「……ありがとうございます」
悔しいが、こんな部屋を準備されて嬉しくないはずがない。
まるで、お姫様にでもなったかのような気分。
「よかった」
尚一郎の手が朋香の左手を取ると、はまっている指環に口づけを落とす。
いちいち芝居がかっているとは思うが、尚一郎がやると嫌みがない。
「一緒に寝て欲しいけど、無理にとは云わない。
朋香にはゆっくりでいいので、僕を好きになって欲しいから」
ちゅっ、再び指環に口づけを落とすと、尚一郎の手が離れた。
二階に上がり、少し入ったところで足を止めた。
「ここが朋香の部屋」
開けられた部屋は、まるでテレビでしか見たことのない、高級ホテルのスイートルームのように上品に揃えてある。
いい匂いがしてみると、花瓶には立派なバラが生けてあった。
「気に入ってもらえるといいんだけど」
「……ありがとうございます」
悔しいが、こんな部屋を準備されて嬉しくないはずがない。
まるで、お姫様にでもなったかのような気分。
「よかった」
尚一郎の手が朋香の左手を取ると、はまっている指環に口づけを落とす。
いちいち芝居がかっているとは思うが、尚一郎がやると嫌みがない。
「一緒に寝て欲しいけど、無理にとは云わない。
朋香にはゆっくりでいいので、僕を好きになって欲しいから」
ちゅっ、再び指環に口づけを落とすと、尚一郎の手が離れた。