問題児な天使
「・・・。」
あのじいちゃんはあたしを黙って見ている。
どうにか・・どうにか戻れないの―・・?
あたし・・ぁぁ・・。
もう・・ヤダ・・。
あたし・・どうすればいいんだろう―・・。
もう・・・何にも考えられない―・・。
「落ち着いたか?お前さんが泣いてても誰も喜ばんからな。
さ、天国へ向かうぞ。」
そう言ってどいちゃんはスラスラスラと手紙の様な物に
英語を手馴れた手つきで書いている。
‘Dear Heaven’
と書いてある。
天国宛ての手紙だ。
それを書き終えたじいちゃんは手紙に フッ と息をかけた。
そうするとその手紙に羽の様なものが生え、空へ
舞い上がっていった。
あたしはただあ然としたままそれを見送った。