問題児な天使







「・・・。」


あのじいちゃんはあたしを黙って見ている。




どうにか・・どうにか戻れないの―・・?

あたし・・ぁぁ・・。

もう・・ヤダ・・。

あたし・・どうすればいいんだろう―・・。







もう・・・何にも考えられない―・・。








「落ち着いたか?お前さんが泣いてても誰も喜ばんからな。
さ、天国へ向かうぞ。」


そう言ってどいちゃんはスラスラスラと手紙の様な物に
英語を手馴れた手つきで書いている。


‘Dear Heaven’
と書いてある。



天国宛ての手紙だ。




それを書き終えたじいちゃんは手紙に フッ と息をかけた。


そうするとその手紙に羽の様なものが生え、空へ
舞い上がっていった。



あたしはただあ然としたままそれを見送った。






< 6 / 11 >

この作品をシェア

pagetop