俺様社長にハートを撃ち抜かれました
「さ、藍羅寝るぞ?」
そう言って、禅は布団に潜り込んでくる。
そのまま私を胸に閉じ込めるように、ギュッと抱きしめた。
「おやすみ。」
「お、おやすみ…」
何事も無かったかのように禅は目をつぶったけど、私は気になってなかなか寝られない。
それに…
気になるけど…
それよりも、禅に抱きしめられて寝るなんて緊張して出来るはずがなかった。
最近は先に寝てることが多いし、朝起きても普通に離れてる。
こんなにくっついていることはないから、心臓がうるさいくらいにドキドキしている。
さっきまで、禅に寂しくて八つ当たりしていたのに、こんな事されたら、寂しさなんて吹っ飛ぶ。
だけど…
寝れるかな…
全然眠くないし、目はぱっちりしている。
でも開いてるより、閉じてた方が眠気は来るかもしれないと思い、私は明日の寝不足を覚悟しながら、禅の腕の中で目をつぶった。