俺様社長にハートを撃ち抜かれました



(藍羅〜!新しいお家はどう?
私達は今から立花さんに誘われたので、ハワイに行ってきます!

新婚生活楽しんでね〜
ままより)

お母様達が4人で写っている写真と一緒に送られてきた。




「…」



お母さん呼べないじゃん…


それに、ハワイって…




「どうしよう…」




とりあえず、ここにいてもいつまで経っても脱げないからリビングに戻る。




「あ、あの…」



テレビを見ていた禅に声をかけてみる。



「あ?」



不機嫌そうに返事をしながらも、振り返ってくれた。




「あ、えっと…着物が脱げなくて…」





「…」



そうだよね、私にそう言われても困るよね…






禅は私をじっと見たまま固まっていた。




んー…どうしようかな…






「…


これを解けばいいのか?」



長い沈黙のあと、そう言われた。



「えっ?あ、そう。」




禅はてっきり、やってくれないと思ったから、びっくりしながらも後ろを向く。








なんか、近いよ…


禅が近くにいることを背中で感じながら、シュルっと帯を解く音を聞いていた。



どうしても、背中を意識してしまって、首の後ろが熱くなるのを感じる。







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