俺様社長にハートを撃ち抜かれました
禅も、いただきますと言ってから、一口口に入れた。
「…まずい…」
そう禅が言っても、なんて言っていいのか分からなかった。
どうしよう…
それより、私は禅にもできないことがあるんだと初めて知った。
実は、お見合いの前にどんな人か聞いていたから。
誰にでも優しく、みんなのあこがれで、仕事はすごく早いし、できる社長…らしい…
そんな人が料理は苦手だったなんて…
みんなが知らない部分を私が知ることが出来て嬉しい!
そう思っていると、禅が私の方を見た。
「…なんか、頼むか…」
そう言われて、禅のご飯でいいとは言えなかった。
「…う、うん…」
だけど、禅は気を悪くするということは無く、どこかに電話を掛けた。