俺様社長にハートを撃ち抜かれました


5分後、ピンポーンとインターホンが鳴る。



もう来たの?
はやっ…



待っている間、気まずかったから早くて良かったけどさ…



禅は玄関に行くと、すぐに箱を持って戻ってきた。




「はい。これなら食えるから…」




ぶっきらぼうに私に渡すと中には美味しそうなパスタが入っていた。


それも、私が好きなトマトクリームのパスタだ。


なんで私の好きなものを知っているんだろうと思いながらも、好きなものを見て目が輝いてしまう。



け、けして、禅のご飯が嫌だった訳じゃないよ…

好物が目の前にあったら、みんな目は輝くと思う。



「それで良かったか?」



「うん!ありがとう!」


私がそう答えると、禅は満足そうにして、食べ始めた。



今度は味もちゃんと美味しかった。



また食べたいなぁ…



そして、食べ終わる頃には私も力が入るようになって、普通に自分の力で歩けるようになった。




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