俺様社長にハートを撃ち抜かれました






時間が経つのは早くて、あんなに早起きしたはずなのに、もう家を出る時間になった。



「藍羅…早くしないと遅れるぞ!」



玄関で禅がそう言っているのを聞きながら、私は必要なものをバックに詰める。



「まって、すぐ行く!」




これでよし!



必要なものはバックに入れたはず。




ほとんど、用意されてるって言ってたからあんまり必要なものはないよね…




「ごめん、お待たせ。」




「遅い…行くぞ。」




禅は怒りながらも、私を待ってくれていた。




「よいしょ…」



私が抱えた荷物を禅がじーっと見る。



「そんなにいるのか?」



「居るよ!なんかあったら嫌でしょ?」



まぁ、そう言いたいのも分かるけど…



だって、私が持っている荷物は大きいバックで中身もパンパンに入っている。




「…」



禅はなんにも言わずに、私の手からバックを奪って歩き出した。




「えっ?いいよ。私持つ。重いでしょ?」





「…こんなの軽いし…」




私が持とうとしたら、私の手をスルッと避けて車に向かってしまった。




「ありがと…」




少し先に居る禅の背中にそう呟いて、急いで鍵を閉めてからあとを追った。



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