俺様社長にハートを撃ち抜かれました
ドキドキしながら、お父さんの後ろを歩く。
「失礼致します。」
いつの間にか部屋に着いたみたいで、スタッフさんが扉を開けた。
少し俯きながら、部屋に入る。
「失礼します。
社長、会長、お待たせしてすみません。」
お父さんが深々と頭を下げていた。
「いえいえ、女の子は準備がたくさんありますものね。」
けして、嫌味ではない上品そうな声がする。
「藍羅さん…でしたよね?お顔を上げて。
お父様もお母様も。」
そう言われて、おずおずと顔を上げる。
私以上に緊張して、ここまで何も話さなかったけど、お母さんも居る。
うわぁ…
イケメン…
優しそうな人で、頼りになりそう…
目の前にいるお見合い相手を見た瞬間、胸がドキンと大きく動いた。
目の前にいる、彼から目が離せなかった。
「…顔になにか付いてる?」
そう言われて、じっと見つめてしまったことに気がつく。