俺様社長にハートを撃ち抜かれました
恐る恐る聞いてみると、禅は当然だろっと言うように、頷いた。
こんなに素敵なドレスを、しかもこの短期間で作っちゃうなんて…
すごい…
そんなことを考えていると、今まで忘れていたことを思い出す。
「あ、そっか…」
禅は社長だったね…
きっと、ドレス作るなんてすぐに出来ちゃうんだろう…
1人で納得している私を不思議そうに見ながらも、禅は口を開いた。
「それより、藍羅…そろそろ時間だけど、行けるか?」
「うん。」
そういえば、披露宴がまだあるんだったよね…
私は詳しい内容を聞いていないから、どれくらいやるのか分からないけど、きっと人がすごいんだろうな…
人混みが苦手って訳では無いけど…
疲れそう…
よしっ!と自分に気合を入れて、禅と披露宴の会場に向かった。
扉が開く前、禅が私にぼそっと言う。
「疲れたら、無理しなくていいから言えよ…」
なんか、優しい…
結婚式だから?
私はそんな場違いなことを考えながらも、頷いた。
そして、同時に目の前の扉が開いた。