俺様社長にハートを撃ち抜かれました
「…」
すごい人…
たぶん、ほとんどが禅の仕事関係の人だろう…
私の友達も何人かいる。
こんなに、大勢の前に出たことなんて無いから、少し足が竦む。
そんな私を、禅は支えるように隣を歩いてくれた。
それだけで、私は少し安心する。
テーブルの間を縫うように歩く。
私は緊張で、足がもつれて転びそうになりながらも、笑顔で歩いた。
そして、正面にある席に着き、一安心…
「それでは、今から、新郎新婦にお祝いのお言葉を頂きたいと思います。」
司会のスタッフがそう言う。
禅の会社の人からお祝いの言葉を貰ったけど、会ったことないから、誰が分からない…
「…秘書だ…」
そんな私を見かねてか、禅が小さい声で教えてくれた。
そして、次に挨拶した人に私はびっくりした。
だって、会ったことある人だった。
たしか、お父さんの上司って言っていた気がする。
「藍羅のお父さんの上司の人…」
やっぱり…
何度か、届け物をした時に見たことあった。
禅は1人ずつ、誰なのかを教えてくれた。
沢山いたけど、たぶん覚えた…はず…