俺様社長にハートを撃ち抜かれました
禅は食べてから一瞬固まったけど、少し噛んでから飲み込んだ。
やっぱり、甘いものダメなんだね…
私はそんなことを考えている間に、周りはみんな拍手をしたりして、盛り上がっている。
「それでは、ここから記念写真の撮影に移りたいと思います。
新郎新婦の方はこちらに。」
広いテラスに案内される。
そのど真ん中にいると、まずは親戚からということで、お母さんたちが周りに立った。
「はーい。では、行きますよ〜
はいチーズ…」
パシャッと音を立てて、シャッターが切られる。
私と禅は動かないけど、2.3枚取ると、周りがどんどん入れ替わる。
禅の友達の番になり、並ぶんだけど…
なぜか、禅の横に女の人が陣取っている。
それも、腕を組んで…。
すこし、ムッとしながらも、顔に笑顔を貼り付ける。
「ねぇ〜禅〜、こんなやつと結婚しないで、私と結婚してくれればよかったのにぃ〜」
私が横にいるのを見て、わざと聞こえるようにそう言ってきた。
こ、こいつ…
思わずムカついて、言い返そうとしたら…
私より先に禅がキレた…
それも、すごく静かに…
「お前、黙れよ…」
私に言われたのかと思って、ビクッとなるけど、禅は女の人の方を向いていた。
「よくここで、そんなことが言えんな…
そんなことが言える奴との結婚なんて、願い下げだ。
それに、嫌いな奴と結婚なんかする訳ないだろ!」
禅がそう言うと、周りにいたみんなが固まった。